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呉空襲「体験語り継ぐ」 和庄中生、慰霊碑巡り決意

 71年前の呉空襲で多くの住民が犠牲になった呉市和庄地区にある和庄中の3年生96人が1日、地区内の慰霊碑などを巡った。空襲を体験した地元の宮本澄枝さん(89)が、自ら営んできた慰霊祭を体力の衰えから昨年でやめたのを受け、生徒が体験継承を決意した。

 市史によると、1945年7月1日夜から2日未明にかけて、この地区内の防空壕(ごう)で約550人が亡くなったとされる。生徒は防空壕があった場所や慰霊碑などを巡り、教諭の説明に耳を傾けた。

 和庄公園の石の供養地蔵では千羽鶴をささげて黙とうした。生徒は「平和に感謝し大切に生きる」「私たちが語り継ぐ番だ」などと感想を発表した。

 これに先立ち、教室では資料や写真、映像などで呉空襲の実態を学んだ。宮本さんを招いて体験も聞いた。

 巡り終えた丸石崚平さん(14)は「戦艦大和を造った街の歴史だけではなく、空襲で大きな被害を受けたことも後世に伝えていく」と誓っていた。(広重久美子)

(2016年7月2日朝刊掲載)

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