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内部被曝防護 基準作り目標 研究会が初総会

 放射線による内部被曝(ひばく)の危険性を考える「市民と科学者の内部被曝問題研究会」の第1回総会が22日、東京都内であった。研究者や医師、市民ら約80人が参加。内部被曝の影響について実態を踏まえて科学的研究を進め、それを反映した防護の基準作りを目指す方針を決めた。

 呼び掛け人の一人で広島の被爆者の沢田昭二・名古屋大名誉教授(80)があいさつし、原爆では内部被曝の影響が国に軽視されてきたと指摘。「科学者と市民が連携し、事実を踏まえて民主的な議論をし、国の政策につなげるべきだ」と訴えた。

 沢田氏を理事長に充てる人事を承認。原爆の入市被爆者らの急性症状を調べる科学者中心の部会や、福島第1原発事故を受けた健康影響について研究や相談活動をする部会などの設置を決めた。現在の会員は約280人で、1年後のNPO法人化を目指す。

 名誉会長に就いた広島で被爆した医師、肥田舜太郎さん(95)が総会後に記念講演。被曝への向き合い方について「意識的に健康的な生活を送るよう努力してほしい」と話した。(岡田浩平)

(2012年4月23日朝刊掲載)

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