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満蒙開拓団 歴史伝える 広島市南区でパネル展

 戦時中に国策で旧満州(中国東北部)に入植した満蒙開拓団と、戦後の帰国者の苦難を伝えるパネル展が5日、広島市南区の市留学生会館で始まった。15日まで。無料。

 県内の市町村別入植者数や入植時期などを紹介する資料のほか、移民募集のポスターや現地での入植式の写真などを盛り込んだパネル約40点を展示した。ソ連軍の対日参戦や日本軍の敗走で取り残された中国残留日本人孤児の帰国後の生活ぶりも紹介する。

 パネルは市中国帰国者の会(中区)が制作。長野県阿智村の満蒙開拓平和記念館からも10点を借り受けた。

 1989年刊行の県満州開拓史によると、県内からは1万1千人以上の入植者がいたという。

 同会が主催し、3回目。吉林省から96年に帰国した松山鷹一副代表(50)=中区=は「悲惨な歴史は風化しつつある。国策に翻弄(ほんろう)された開拓団の歴史を知ってほしい」と呼び掛ける。(栾暁雨)

(2016年7月6日朝刊掲載)

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