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参院選 中国新聞社広島県内世論調査

 10日投開票の参院選について中国新聞社が実施した県内の電話世論調査で、憲法9条の改正には約半数が反対の立場を取り、世代別も30代以外は反対派が賛成派を上回った。日本政府の核兵器廃絶への取り組みについては、与野党を問わず評価する意見が目立った。参院選の争点では、「経済政策」や「社会保障」への関心が高かった。(明知隼二、樋口浩二、根石大輔)

憲法9条改正

反対派 60代が最多

 戦争放棄と戦力の不保持を定めた憲法9条の改正については、「反対」「どちらかといえば反対」の反対派が計50・2%、「賛成」「どちらかといえば賛成」の賛成派が計33・2%。「分からない・無回答」が16・6%だった。

 世代別では、反対派が最も多いのは60代で55・9%。10、20代が55・0%と2番目に多く、70代以上が51・7%▽50代が51・2%▽40代が44・0%―と続く。30代は42・7%と最も少なく、世代別では唯一、賛成派(49・3%)が反対派を上回った。

 支持政党別では、安全保障関連法廃止などを掲げて共闘する野党の支持層で反対派が多い。共産党支持層で76・2%、民進党支持層で74・5%、生活の党支持層で73・8%。社民党支持層は39・3%が反対の立場を取ったが、52・1%は「分からない」とした。

 また、改憲を掲げるおおさか維新の会の支持層でも、9条改正については反対派が52・4%で、賛成派の33・9%を上回った。日本のこころを大切にする党支持層は68・0%、新党改革支持層は49・3%が賛成派で、いずれも多数だった。

 与党では、自民党支持層は賛成派が49・6%で、反対派の38・1%より多かった。一方、公明党支持層では反対派が48・3%で、賛成派の28・3%を上回った。

 男女別では、男性は反対派46・6%、賛成派41・3%。女性は反対派53・4%、賛成派25・8%。職業別では、専業主婦と学生で反対派が各61・6%と最も多かった。

核兵器廃絶

「評価」 40代が最も多く

 米国のオバマ大統領が被爆地広島を訪問したことを受け、日本の姿勢があらためて問われている。日本政府の核兵器廃絶に向けた取り組みについて計64・6%が「評価する」「どちらかといえば評価する」と回答。「評価しない」「どちらかといえば評価しない」は計23・4%、「分からない・無回答」は12・1%だった。

 支持政党別では、野党の一部を除く各党の支持層で、肯定的な立場が多かった。

 連立政権を組む自民党の75・8%、公明党の72・9%が「評価」「どちらかといえば評価」と回答。野党側も、民進党の65・6%▽社民党の60・7%▽新党改革の57・0%▽生活の党の56・8%▽おおさか維新の会の53・8%―が評価する立場だった。

 一方、共産党の66・9%、日本のこころを大切にする党の68・0%が評価しない立場だった。

 世代別でも、全世代で評価する立場が多数だった。40代の69・3%が最も多く、70代以上68・8%▽10、20代65・4%▽30代64・0%▽60代60・2%▽50代59・3%―だった。

 日本政府の取り組みを巡っては、米国の「核の傘」に頼る現状や、法規制に向けた議論への消極的な姿勢を批判する声もある。

争点

「経済政策」22%でトップ

 参院選の争点として考えられる九つの政策課題を示し、最も関心のあるテーマを一つだけ選んでもらった。トップは「経済政策」で22・9%。選挙戦では、安倍政権の経済政策アベノミクスの成否などを巡り、論戦が熱を帯びている。

 2位は「年金や医療など社会保障」で20・5%、3位は「消費税などの税制」で12・9%。社会保障の財源としての税のあり方についての議論は、選挙戦では深まっていない。「子育てや教育問題」が11・2%、安倍晋三首相が目指す「憲法改正」が9・6%と続いた。

 男女別では、男性は経済政策が28・9%と最多だった一方、女性は社会保障が25・7%でトップ。次に関心が高いのは、男性が社会保障、女性が経済政策だった。

 世代別では、10、20代と40代で経済政策が最も多い。50、60代と70歳以上は社会保障がトップだった。30代は子育てや教育問題が最多だった。

 職業別では、8業種中、事務・技術職、現業職、商工・自営業など5業種で経済政策が最多。自由業は消費税など税制、学生は子育てや教育問題、専業主婦、その他・無職は社会保障がそれぞれトップだった。

 支持政党別では、自民党、日本のこころを大切にする党の各支持層は、経済政策への関心が最も高かった。民進党と公明党、おおさか維新の会、生活の党の各支持層は、社会保障がトップ。共産党と社民党の各支持層は憲法改正を選んだ人が最も多かった。新党改革は子育てや教育問題が一番多かった。

(2016年7月7日朝刊掲載)

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