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オスプレイ搭載可能 米が強襲揚陸艦配備

 米海軍の強襲揚陸艦ボノム・リシャール(4万500トン)が23日、佐世保基地(長崎県佐世保市)に配備された。同艦は、今秋に普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備予定の米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを搭載できる。11日にも同型機が墜落するなど安全性が不安視されている中で、同艦配備を機に米海兵隊岩国基地(岩国市)に一時駐機する可能性が高まっている。

 同艦は、佐世保基地に約12年間配備されていた強襲揚陸艦エセックスと交代した。オスプレイを運用できるよう艦内を改造。上陸用舟艇などを備え、乗員1200人。海兵隊員を最大1800人収容できる。

 オスプレイは、普天間飛行場に10月ごろ第1陣12機が配備される計画。ただし、同型機は開発段階で墜落事故を4回起こしており、日米両政府は安全性に対する沖縄の不安解消のため、本州にある米軍基地などへの一時駐機を検討してきた。

 11日にはモロッコで墜落事故が発生。沖縄県の仲井真(なかいま)弘多(ひろかず)知事はあらためて配備反対を表明し、普天間飛行場への配備は困難な状況となっている。

 この中で一時駐機の候補地として岩国基地の可能性が高まっている。他の主要な在日米軍航空基地は周囲が住宅街に囲まれて上空の飛行回避が不可能な一方、沖合移設した岩国基地では、地元理解が得られるまで飛行を海上に限定することで一時駐機受け入れを要請しやすいからだ。

 オスプレイを搭載可能な艦船配備により、一時駐機は早ければ7月ごろから始まるとみられる。岩国基地周辺や飛行ルート下となる中国地方の各自治体では、情報収集や対応への協議が急務となる。(編集委員・山本浩司)

(2012年4月24日朝刊掲載)

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