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祈る 折る ヒロシマ おりづるタワー完成 展望スペース11日オープン

 世界遺産・原爆ドーム(広島市中区)の東隣で改修を終えて完成した複合ビル「おりづるタワー」。12、13階の展望スペースは11日正午、一般客向けにオープンする。内覧会を取材し、一足早く新スポットを体験した。(川上裕)

 エレベーターで、展望スペースの12階に上がった。ドームや平和記念公園が眼下に一望できる。原爆の被害や復興の歩みにも思いをはせた。

 タワーの北側の壁面には、ガラス張りの「おりづるの壁」が設けられている。12階には、折り鶴を折れる専用テーブルや、「壁」へ投げ入れる場所もある。投入口に手を入れ、折り鶴を離すと、羽をプロペラのように回転させながら約50メートル下までゆっくり落ちていった。やがて色とりどりの鶴で壁が埋まり、通りから見えるようになる。

 13階に上がると、三方の壁がなく、風が吹き抜けていた。床には、木材が敷き詰められている。耳を澄ますと、地上から路面電車が走る音が聞こえてきた。

 帰りは、避難用に設けられたスロープを歩いて降りた。滑り台もあり、子どもたちのはしゃぐ姿が目に浮かぶ。1階には、広島県産レモンを使う菓子、地酒などが並ぶ物産店や、おしゃれなカフェがある。

 展望スペースの入場料は大人1700円、中高生900円、小学生700円。壁に折り鶴を投入するには、別に500円かかる。

 ビルを所有する広島マツダ(中区)の松田哲也会長は「世界各地から広島を訪れる人たちに、雨宿りや昼食の場所としても使ってもらいたい」と語る。

(2016年7月8日セレクト掲載)

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