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平和の使者 折り鶴いかが

 広島市は23日、原爆の子の像(中区)に寄せられた折り鶴の活用策の一環として、配布を希望する国内外の個人や団体を5月1日から受け付けると発表した。市が活用内容を審査し適正と認めれば、無料で配布する。

 市の有識者委員会が示した活用方針に沿うことが条件。平和への思いの継承・発信▽地域や立場を超えた心の循環▽広島発の新たなブランドや観光資源の創出―の3項目を方向性として掲げた。

 提供するのは原則1袋(約1万3千羽、11キロ)単位で、上限はない。送料は市が負担する予定で、本年度は約50万円を予算化した。

 希望者は、所定の申請書に実施計画書などを添えて郵送や電子メールで申し込む。申請書は市役所、区役所で受け取るか、市のホームページからダウンロードできる。

 原爆の子の像に届く大量の折り鶴は、秋葉忠利前市長が長期保存・展示を構想。2002年度から焼却処分を中止し、ことし3月末時点で97・3トンを市の施設で保管する。昨年4月に就任した松井一実市長は保存方針を転換。有識者委を設け、活用策を検討した。

 松井市長は23日の記者会見で「折り鶴を寄せた人の思いを継承してもらい、核兵器廃絶を願う輪を広げたい」と述べた。市平和推進課被爆体験継承担当Tel082(242)7831。(藤村潤平)

(2012年4月24日朝刊掲載)

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