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原爆ドーム 耐震化完了 近く足場撤去 広島市中区

 広島市は11日、世界遺産・原爆ドーム(中区)での初の耐震補強工事をほぼ終えた。外観への影響を考慮し、れんが壁の内側から3カ所を鋼材で固定。芸予地震で想定される最大震度6弱に耐え得るための必要最小限の対策とした。

 この日、市職員2人が完了検査。ドーム北側の内壁に組んだ足場(高さ約14メートル)に上り、既存の支柱に鋼材を継ぎ足して支える補強をした2カ所に問題がないことを確認した。先行した南側の1カ所は3月末に作業を終えている。近く市の委託業者が足場を撤去し、今月下旬までに全工程を終えるという。

 市は2013年度にした耐震診断の結果、震度6弱で倒壊の危険性があるとして15年12月、3カ所の耐震補強工事に着手した。総事業費は約2880万円。

 1967、89、02年度には、保存のための補強工事をしている。市公園整備課は「引き続き3年に1度、劣化状況を確認し、専門家の意見も聞きながら保存策を講じたい」としている。(和多正憲)

(2016年7月12日朝刊掲載)

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