×

連載・特集

参院選山口 出口調査

 自民党現職の江島潔さん(59)=公明推薦=が、無所属新人の纐纈(こうけつ)厚さん(65)=民進、共産、社民推薦、諸派の幸福実現党新人の河井美和子さん(53)を大差で破った10日の参院選山口選挙区(改選数1)。中国新聞防長本社が県内の全13市の有権者計300人を対象に実施した出口調査では、中国電力が上関町で計画する原発建設計画へのスタンスは「反対」が5割近くを占め、憲法改正には4割近くが「賛成」と回答した。(村田拓也)

原発新設「反対」5割近く

上関原発と岩国基地

 上関原発建設計画へのスタンスは「反対」が47・3%で、「賛成」の13・0%を大きく上回った。「どちらとも言えない」は39・7%。2011年3月の東日本大震災と福島第1原発事故から、11日で5年4カ月となった。原発新設への反対は依然、根強い。

 男女とも「反対」は47・3%で同率だが、「賛成」は男性19・3%、女性6・7%と差が開いた。世代別でみて「反対」が5割を超えたのは、60代(65・9%)と50代(62・8%)だった。

 支持政党層別で「反対」は、野党の民進党で69・2%、共産党で75・0%。与党でも公明党で64・3%に上り、自民党は36・7%を占めた。無党派層は50・0%。「反対」とした人の投票先は、計画の推進を訴えた江島さんが44・4%、反対を掲げた纐纈さんが45・1%でほぼ分け合い、投票行動には必ずしも直結しなかった。

 17年ごろまでに予定される米海兵隊岩国基地への空母艦載機部隊の移転への賛否も尋ねた。「反対」35・7%、「賛成」20・3%、「どちらとも言えない」44・0%だった。

改憲 4割近くが「賛成」

憲法改正と安保関連法

 改正する具体的な条文は示さずに、憲法改正の是非を質問した。「賛成」が37・7%で、「反対」の25・7%と比べて12・0ポイント高い。「どちらとも言えない」は36・7%。

 「賛成」を支持政党層別でみると、自民党が49・1%で全体平均を上回り、公明党は35・7%とやや下回った。民進、共産両党はゼロ。無党派層は30・6%だった。男女別は男性51・3%、女性24・0%と差が開いた。

 集団的自衛権を使えるようにした安全保障関連法の是非も、「賛成」37・3%、「反対」27・7%、「どちらとも言えない」35・0%と同様の傾向だった。江島さんはそれぞれの賛成派の8割超、纐纈さんは反対派の7割前後の支持を得た。

  <出口調査の方法>
 県内の全13市で有権者数や地域バランスを考慮して投票所を選び、投票を終えた有権者計300人を対象とした。質問用紙を示し①山口選挙区で投票した候補者②アベノミクスの賛否③上関原発建設計画へのスタンス④憲法改正の是非⑤支持政党―など9項目に回答してもらった。男女別は男性、女性ともに150人。回答割合は小数点第2位を四捨五入したため、合計が100%にならない場合がある。

(2016年7月12日朝刊掲載)

年別アーカイブ