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82ヵ国・EU代表 参列 広島の8・6式典 遺族代表は最少の37人

 広島市は12日、被爆71年の8月6日に平和記念公園(中区)で営む原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)の概要を発表した。現時点で82カ国と欧州連合(EU)の代表が参列を予定。オバマ米大統領の5月の広島訪問で被爆地への関心が高まる中、核兵器廃絶への願いを世界へ発信する。都道府県の遺族代表は37人で過去最少になる。

 市は式典の案内状を、昨年より1多い過去最多の157カ国へ送った。82カ国は被爆70年の節目で100カ国だった昨年に次ぐ多さで、市の担当者は「オバマ効果」とみる。アラブ首長国連邦(UAE)、ガボン、コンゴ共和国、モルドバの4カ国が初めて。核兵器保有5大国では英国、フランスが出席し、中国は欠席する。米国、ロシアは返事が届いていない。

 一方、遺族代表は37都道府県の各1人が参列する。2004年、07年、08年の39人を下回った。最高齢90歳、最年少40歳で、平均年齢は70・4歳。減少の理由について、市は「希望者がいなかった」としている。

 式典は午前8時から45分間。米国が原爆を投下した8時15分、遺族代表の己斐東小教諭亀本宗祐さん(41)=西区=と、こども代表の観音小6年武田結衣さん(11)=同=が突く「平和の鐘」を合図に1分間、黙とうする。

 続いて松井一実市長が平和宣言を読み上げる。オバマ氏の「ヒロシマ演説」の一文が引用される見通し。「平和への誓い」は、亀山小6年青木優太君(12)=安佐北区=と竹屋小6年中奥垂穂(たりほ)さん(11)=中区=が担う。

 遺族、こども代表の計4人は12日、市役所で記者会見。武田さんは「ひいおばあちゃんが被爆をして、戦争が終わった後も病気にかかり、すごく大変な思いをしたと、おばあちゃんから聞いた。戦争が起きないように願いを込めて鐘を突きたい」と話した。(渡辺裕明)

(2016年7月13日朝刊掲載)

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