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被爆証言に米の医師涙 HICARE研修

 米カリフォルニア州の医師3人が14日、広島市中区の国立原爆死没者追悼平和祈念館で、被爆者の小倉桂子さん(78)=中区=の証言を聞いた。広島県や広島市などでつくる放射線被曝(ひばく)者医療国際協力推進協議会(HICARE)の研修の一環。

 小倉さんは英語で、8歳の時に爆心地から2・4キロの牛田町(現東区)で被爆し、市中心部から逃れてきたけが人が手当ても受けられずに亡くなっていくのを見たと証言。「家族や友人を助けられなかった心の傷を負いながら、差別を恐れ誰にも語らなかった人も多い」と、被爆者が戦後も抱え続けた苦しみを語った。

 米退役軍人局が運営する病院の精神科医ヤコブ・チャコさん(46)は「心の治癒には、体験を語ることが必要だ。それができないのは、とてもつらかっただろう」と涙を拭った。

 研修は11~15日の5日間。この日は放射線影響研究所(南区)も訪れ、放射線の人体への影響などを学んだ。

(2016年7月15日朝刊掲載)

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