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熱い音色 何度でも 広響×シュトイデ/アルゲリッチ 2ライブ録音リリース

 広島交響楽団と世界的な演奏家による二つのコンサートのライブ録音が、相次ぎリリースされた。広響のミュージック・パートナーに就任したバイオリン奏者フォルクハルト・シュトイデと、平和音楽大使になったピアニストのマルタ・アルゲリッチとの協演。熱気を帯びた音色を伝える。

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団コンサートマスターのシュトイデ。昨年11月の広響定期演奏会で披露した、ベートーベンの交響曲第5番「運命」、メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲、モーツァルトの歌劇「魔笛」序曲の3曲をCD=写真=に収録した。

 「協奏曲では私に表現する自由を与えてくれ、ベートーベンはエネルギッシュだった」。シュトイデは、指揮者なしで挑んだ協演をそう振り返る。互いへの尊敬と友情に満ちた、伸び伸びとした演奏。広響が一般向けにCDを発売するのは2012年以来となる。2700円。

 被爆70年の昨年8月、広響「平和の夕べ」コンサートで協演したアルゲリッチとの録音は、インターネットによるハイレゾ配信で販売している。指揮は音楽監督の秋山和慶。ベートーベンのピアノ協奏曲第1番と、アンコールで奏でたシューマンの「夢のもつれ」の2曲を収める。

 配信サイト(http://www.e‐onkyo.com/music/album/kj26303/)から購入する。3240円。収益は、アルゲリッチが広島で奏でた被爆ピアノの保全や「福島県相馬子どもオーケストラ&コーラス」の活動支援に寄付する。(余村泰樹)

(2016年7月16日朝刊掲載)

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