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NPT準備委きょう開幕

 2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた第1回準備委員会が30日、オーストリアの首都ウィーンで開幕する。北朝鮮やイランの核問題が深刻化する中、加盟約190カ国が核軍縮や核不拡散の在り方を議論する。

 10年の前回の再検討会議は「核兵器のない世界」の実現に向けて合意し、64項目で構成する行動計画を掲げた。今回の準備委は、加盟国が取り組みを着実に進めているかどうかを初めて確認する場となる。

 核実験を強行する可能性が指摘される北朝鮮への対応や、中東の非核化なども主要な議題となる。福島第1原発事故を受け、原子力施設の安全対策強化も取り上げられる見通しだ。

 日本政府は合意の実現を後押しするため、核兵器を持たない他の9カ国と軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)を組織する。今回、NPDIとして核軍縮を進める具体策を提案する。

 5月11日の最終日、2週間の議論を踏まえた報告書を採択する。

 広島市の松井一実市長が会長を務める平和市長会議は、非政府組織(NGO)として出席する。松井市長は4日に現地入り。準備委議長に核兵器禁止条約の実現を求める署名を提出するほか、各国の軍縮大使との懇談などを予定する。(田中美千子)

(2012年4月30日朝刊掲載)

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