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大和の鮮明映像 初公開 呉市が潜水調査報告会

 東シナ海に眠る戦艦大和の潜水調査報告会が16日、呉市役所内のくれ絆ホールであり、潜水映像が一般向けに初公開された。約550人がデジタル撮影の映像に見入った。

 市が公開した映像は計9分。上下が逆さになって船体から離れて沈む第一主砲塔や船首部分の菊の紋章を映し出した。続いて、大和ミュージアムの戸高一成館長が解説。艦首部分が激しく壊れていることについて、火薬庫などの重要な部分だけを分厚い装甲で覆っていた大和の特徴が分かり、船を重くしすぎてはいけないという、当時の設計の苦悩が伝わると話した。

 また、資料が少ない主砲塔について、砲室後部にある出入り口なども確認でき、解析が進めば詳細が明らかになる、とした。

 呉市焼山本庄の小池一彦さん(76)は「菊の紋章やプロペラなどが鮮明な映像で見られてよかった。今後大和の謎が解き明かされるのが楽しみ」と話していた。

 この日公開した映像と同じものを23日から呉市の大和ミュージアムで一般公開する。9月28日からは、調査結果を反映し常設展示を更新する。

 呉市は5月、東シナ海に調査船を派遣し、無人潜水探査機を水深約350メートルに潜らせた。(今井裕希)

(2016年7月19日朝刊掲載)

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