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原画や資料 伝える戦争 23日から呉で展示会・行事 アニメ映画「この世界の片隅に」

 戦時中の呉市と広島市を舞台にしたアニメ映画「この世界の片隅に」と原作漫画の原画などを紹介する展示会(中国新聞社など主催)が23日、呉市立美術館で始まる。11月3日までの会期中には原作者の漫画家こうの史代さんのギャラリートークなど多彩なイベントもある。

 映画は1943年、旧呉海軍工廠(こうしょう)に勤める青年と結婚した主人公すずが、戦時下を呉市でたくましく生きる姿を描く。古里広島の受けた原爆の被害にも触れる。今秋の映画公開に先立って、展示会を開く。

 会場には、映画と漫画の原画計710点を展示。ほかに8時15分で止まった時計など原爆投下の実態を伝える資料64点も並べる。

 初日の23日午前11時からは、こうのさんが館内で自作を解説する。8月20日午前10時半からは、映画の真木太郎プロデューサー、同午後1時からは、こうのさんと片渕須直監督がトークイベントに駆け付ける。

 ほかにも、会期中はワークショップなど13の関連行事も計画している。同美術館の角田知扶(ちほ)学芸員は「赤い口紅で描いた漫画の原画など作風がうかがえる展示にした。さまざまな角度から映画を楽しんでほしい」と話している。

 前期展示は9月12日まで、後期は14日から。大人千円、大学生600円、高校生以下無料。(小笠原芳)

(2016年7月20日朝刊掲載)

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