旧満州・シベリア 散った友 東広島市黒瀬の葛原さんが体験記
16年7月20日
東広島市黒瀬町の葛原辰夫さん(90)が、旧満州(中国東北部)での日々やシベリア抑留の体験を本にまとめた。開拓の苦労、凍土に果てた仲間の姿を通じて戦争の悲惨さを伝えている。
題名は「北の青春」でA5判、200ページ。葛原さんは14歳で親元を離れ、国策の満蒙開拓青少年義勇軍として軍事訓練や開墾作業に明け暮れた。1945年5月に徴兵され旧ソ連との国境に近い孫呉という軍事基地の部隊に入隊。終戦後は約2年間、シベリアのライチハ収容所などで採炭やれんが製造をした。21歳の時、帰国した。
戦車の下に爆雷を持って飛び込んだ戦友、飢えと寒さの中、収容所で衰弱して亡くなった仲間―。一人一人の名前や交わした会話など詳細に記した。
本は長男(60)の勧めで、10年前に書いた手記に加筆して、6月に自費出版した。70部印刷し、東広島、呉、江田島市などの図書館に寄贈した。販売はしていない。
葛原さんは「多くの仲間の死は埋もれたままになっている。私の体験を通じて少しでも伝えたい」と話している。(森岡恭子)
(2016年7月20日朝刊掲載)
題名は「北の青春」でA5判、200ページ。葛原さんは14歳で親元を離れ、国策の満蒙開拓青少年義勇軍として軍事訓練や開墾作業に明け暮れた。1945年5月に徴兵され旧ソ連との国境に近い孫呉という軍事基地の部隊に入隊。終戦後は約2年間、シベリアのライチハ収容所などで採炭やれんが製造をした。21歳の時、帰国した。
戦車の下に爆雷を持って飛び込んだ戦友、飢えと寒さの中、収容所で衰弱して亡くなった仲間―。一人一人の名前や交わした会話など詳細に記した。
本は長男(60)の勧めで、10年前に書いた手記に加筆して、6月に自費出版した。70部印刷し、東広島、呉、江田島市などの図書館に寄贈した。販売はしていない。
葛原さんは「多くの仲間の死は埋もれたままになっている。私の体験を通じて少しでも伝えたい」と話している。(森岡恭子)
(2016年7月20日朝刊掲載)