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核なき世界へ議論 NPT再検討 第1回準備委が開幕

 (田中美千子 ウィーン発)2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた第1回準備委員会が30日、オーストリア・ウィーンの国連施設で始まった。北朝鮮による3度目の核実験の懸念が高まる中での開催。約190の条約加盟国が5月11日まで、核軍縮、不拡散をめぐる情勢や課題を話し合う。

 10年に米ニューヨークであった前回の再検討会議では、「核兵器なき世界」の追求や64項目の行動計画に合意した。準備委の冒頭、議長を務めるピーター・ウールコット氏(オーストラリア国連大使)は「核兵器なき世界の実現のため何がなされ、何が課題かを確認しよう」と呼び掛けた。

 続いて一般討論が始まり、各国の政府代表が行動計画をめぐる取り組みなどを発表。日本は2日、浜田和幸外務政務官(参院鳥取)が演説する予定だ。

 3日からは「核軍縮・核不拡散」「原子力の平和利用」などのテーマ別に議論。北朝鮮の核開発問題や中東情勢のほか、福島第1原発事故を受けた原子力施設の安全確保なども議題となる見通しだ。

 平和市長会議(会長・松井一実広島市長)による原爆ポスター展も開始。松井市長は4日に現地入りする。

(2012年5月1日朝刊掲載)

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