×

ニュース

原爆文学を国際放送 朽木祥さん「石の記憶」 23・30日・来月6日 NHKラジオ

 広島市出身で被爆2世の児童文学作家朽木祥(くつき・しょう)さん(59)=写真・神奈川県鎌倉市=の小説「石の記憶」が今夏、英語や中国語など17言語に翻訳され、NHKのラジオ国際放送で発信される。文学作品に託したヒロシマの願いを、世界の人々に届ける。

 物語は、昨年8月6日に刊行された「八月の光・あとかた」(小学館文庫)の中の1編。原爆資料館(中区)にある「人影の石」をモチーフに、人々のささやかな暮らしが一発の爆弾で断ち切られるさまを描く。

 オバマ米大統領の訪問を機に、同館へ海外からの来訪者が増えていることなどから、さまざまな日本の文学を紹介する番組「NHKワールド ラジオ小説」で採用した。今月23、30日と8月6日の3回に分けて放送され、朽木さんが作品に込めた思いも紹介する。

 朽木さんは「小さな一石だが、ヒロシマの記憶を心の深いところで世界の人々と共有できれば、過ちを繰り返さずに済むのではないか」と話している。  各回の放送後、約1カ月間はホームページで聞くこともできる。英語版のURLはhttp://www.nhk.or.jp/nhkworld/en/radio/stories/(石井雄一)

(2016年7月21日朝刊掲載)

年別アーカイブ