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行進や原爆展 核廃絶を訴え ウィーンで原水協など

 (田中美千子 ウィーン発)2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた第1回準備委員会に合わせ、開催地のオーストリア・ウィーンを訪れている被爆者たちが1日、市内を練り歩き、核兵器廃絶を訴えた。

 日本原水協から派遣された約20人がメーデーのパレードに加わり、市中心部の約1・5キロを行進した。被爆者は広島県被団協(金子一士理事長)の吉岡幸雄副理事長(82)=広島市南区=たち3人が参加。「核兵器のない世界を」などと書いた横断幕を掲げ、沿道の人たちに折り鶴を配りながら歩いた。

 ゴールの市庁舎前では、核兵器禁止条約の実現を求める署名も集めた。7歳の時に広島市西区で被爆した日本被団協の児玉三智子事務局次長(74)=千葉県市川市=は「共感を得たとの手応えがあった」と喜んでいた。

 第1回準備委は4月30日に開幕。日本原水協や日本被団協などは同日から、準備委会場の国連施設で原爆展を開催した。広島、長崎の原爆投下直後の惨状を写真などで伝えるポスター12枚を展示。吉岡副理事長たちも来場者を案内し、自らの体験を語った。

(2012年5月2日朝刊掲載)

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