×

ニュース

三井化学事故 劣化ウラン「検証を」

 山口県和木町の三井化学岩国大竹工場で起きた爆発事故を受け、和木町と岩国、大竹両市でつくる事故対策協議会(会長・上岡宣雄副町長)が1日、同町役場であった。触媒などに使った後、工場の倉庫に保管されている放射性物質の劣化ウランについて、文部科学省に調査や安全確認をするよう山口県を通じて要請することを決めた。

 会議は非公開。同社の福田弘美総務部長たち2人から状況を聞いた。上岡会長によると、同社は3月28日と爆発があった4月22日以降の保管倉庫と周辺の放射線量が毎時0・22~9・31マイクロシーベルトを示し、「事故前後で数値は変わっていない」と説明したという。劣化ウランは粉状で二重のドラム缶に保管。流出しないようコンクリート壁(高さ1メートル)の内側に収められている。

 文科省によると、管理場所では1週間に1ミリシーベルト未満の放射線量が安全基準になっている。上岡会長は「会社の示した数値だけではなく、文科省にも検証を求めたい」としている。

 文科省は放射性廃棄物を保管する施設について、放射線測定などの管理状況を5~10年ごとに任意で調査。同社を2002年3月に調べ、異常はなかったという。同省は詳しい管理状況を調べることも検討している。(酒井亨)

(2012年5月2日朝刊掲載)

年別アーカイブ