『美術散歩』 日常から探すヒロシマ
16年7月22日
◎藤岡亜弥写真展「川はゆく 広島」 24日まで。広島市中区上八丁堀4の1、ギャラリーG
原爆ドームを背景に跳びはねる女生徒たち、元安川のほとりに憩う観光客たち…。数々のスナップに納まる人々は、どちらかといえば明るく、力強い=写真。
ヒロシマをテーマとした写真展にありがちな重苦しい雰囲気は、ほとんど感じられない。しかし、ヒロシマを日常の視点から捉え直そうとする意思は、確かに感じられる。
藤岡亜弥さんは1972年呉市生まれ。3年前に米ニューヨークから活動拠点を移し、広島市西区に住む。移住後に撮った59点が広島初の個展に並ぶ。
あの日の広島に暮らした人々にも、当たり前の日常があった。71年の歳月を経て、今広島に住んでいながら、いや、住んでいるからこそ見えにくくなったヒロシマがあるのではないか。それを見過ごすまいと、ファインダー越しに抵抗する記録のようにも思える。
写真家土田ヒロミさんとの対談(22日午後6時から)をはじめ、24日まで連日、関連イベントがある。(上杉智己)
(2016年7月22日朝刊掲載)
原爆ドームを背景に跳びはねる女生徒たち、元安川のほとりに憩う観光客たち…。数々のスナップに納まる人々は、どちらかといえば明るく、力強い=写真。
ヒロシマをテーマとした写真展にありがちな重苦しい雰囲気は、ほとんど感じられない。しかし、ヒロシマを日常の視点から捉え直そうとする意思は、確かに感じられる。
藤岡亜弥さんは1972年呉市生まれ。3年前に米ニューヨークから活動拠点を移し、広島市西区に住む。移住後に撮った59点が広島初の個展に並ぶ。
あの日の広島に暮らした人々にも、当たり前の日常があった。71年の歳月を経て、今広島に住んでいながら、いや、住んでいるからこそ見えにくくなったヒロシマがあるのではないか。それを見過ごすまいと、ファインダー越しに抵抗する記録のようにも思える。
写真家土田ヒロミさんとの対談(22日午後6時から)をはじめ、24日まで連日、関連イベントがある。(上杉智己)
(2016年7月22日朝刊掲載)