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広島と福島 希望奏でる 結成10年 東広島交響楽団が初演

広島で来月15日 新垣氏に作曲依頼

 東広島交響楽団は8月15日午後3時から、広島国際会議場(広島市中区)のフェニックスホールで結成10年の演奏会を開く。ゴーストライター問題の代作者で作曲家の新垣隆氏(45)に依頼し、新垣氏が広島と福島をテーマに作った交響曲「連祷(れんとう)」を初演する。(新山創)

 演奏会は楽団の20回目の節目でもある。今月16~18日は、東広島市の広島大で市民や同大卒業生たち約50人が、楽譜を確認して音を合わせた。新垣氏も訪れて曲の流れや表現方法を指導した。

 楽団は3年前、当時佐村河内守氏の作曲とされた「交響曲第1番 HIROSHIMA」を演奏。その後、作曲者偽装が問題となったが、楽団の工藤茂代表(34)が昨年2月に新垣氏に曲を依頼した。「あの演奏が私たちには思い出深く、節目にふさわしい曲を探していた」という。

 新垣氏は「今度は自分の意志と名前で広島をテーマにした作品を作るべきだ」と作曲を始めた。「騒動の後も音楽活動を支援してくれた人に応えたい」。原発事故も踏まえ、悲しみと絶望から確かな希望に向かうプロセスを描く30分超の大作を仕上げた。

 本番は中学生から70代の約80人で演奏する。新垣氏も自作した別のピアノ協奏曲でピアノを弾く。チケットは千~4千円。

(2016年7月22日朝刊掲載)

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