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「福島忘れぬ」交流継続 福山・盈進中高生 8・6式典 被災者と再会へ

 福山市千田町の盈進中高の生徒が、8月6日に広島市中区である平和記念式典で福島県の遺族代表の大内秀一さん(67)=同県川俣町=と再会する。生徒は2011年3月の福島第1原発事故後、避難区域に住む大内さんと、父の故佐市さんと交流を続けてきた。当日は生徒約20人が秀一さんと意見を交わす。

 事故後、同校ヒューマンライツ部の生徒は新聞で避難区域に住む被爆者の佐市さんを知った。11年7月に大内さん親子を訪問。以来、3回福島を訪ねた。毎月11日の朝に「3・11を忘れない」と書いたボードを持ち、校舎の前に立つ。

 佐市さんは原爆投下の2日後、衛生兵として広島市内で救護活動をした入市被爆者だった。事故時は計画的避難区域の福島県飯舘村で暮らし、再び放射線の危険にさらされた。14年5月に84歳で亡くなった。

 秀一さんの住む川俣町山木屋地区も計画的避難区域になり、ことし1月まで避難生活を送った。生徒との交流を「被災地を忘れないでいてくれるのは励みだった」と振り返る。「感謝を伝えたい」と6日、生徒の宿泊所を訪れる。

 初めて原爆の日に広島を訪れる秀一さん。「放射線被害は長く、苦しい。核兵器は二度と使ってはならないと声を上げ続けることが必要」と語る。

 13年夏に2人と会った同部の高橋和(あい)部長(16)は「放射線被害を受けた福島の被災地を知り、伝え続けたい」と力を込める。(高本友子)

(2016年7月23日朝刊掲載)

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