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「原爆焼」発見 7点に 広島・岡山 福山で3点公開へ

 広島県立歴史博物館(福山市)は22日、広島市の原爆の爆心地近くの土を混ぜて福山市神辺町の団体が作った陶器「原爆焼」が、これまでに広島県と岡山県で計7点見つかったと発表した。形の異なる3種類が確認されたという。初公開を含む3点を、29日から同館で一般公開する。8月14日まで。無料。

 同館は七つの原爆焼を、白いうわぐすりが特徴的な「白釉(はくゆう)茶わん」一つ、高さ約8センチの「長湯飲み茶わん」三つ、高さ6センチ程度の「丸湯飲み茶わん」三つの3種に分類。「きび」と印が押されていた白釉茶わんは、笠岡市の吉備窯で作られたことも判明した。

 七つにはいずれも「原爆焼」の銘と、中国新聞社の速記部長を務め、歌人だった山本康夫さんの短歌が刻まれている。同館は「被爆者を助けようとの思いから広域的に協力して作られ、購入の輪が広がったことがうかがえる」とみている。

 原爆焼は5月に福山市で見つかり、6月に所有者が同館に寄贈。その後、所有者から連絡があるなどして他の現存も判明した。29日から同館で3種が1点ずつ並ぶ。展示される3点のうち、白釉茶わんと丸湯飲み茶わんは初公開となる。(福田彩乃)

(2016年7月23日朝刊掲載)

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