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広島でNPT会議を 松井市長 

 (ウィーン発 田中美千子)広島市の松井一実市長は4日、オーストリア・ウィーンで開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第1回準備委員会の公式行事で演説した。各国の政府代表たちに2015年のNPT再検討会議の広島誘致に対する協力を要請し、核兵器禁止条約の締結に向けた交渉を始めるよう訴えた。

 自らが会長を務める平和市長会議主催のワークショップで登壇。核兵器のない世界の実現に「被爆地からの発信が重要だ」と強調し、「一人でも多くの人が広島を訪れ、被爆の実相に触れ、被爆者の体験や思いを共有してほしい」と訴えた。

 さらに松井市長は、10年にあった前回のNPT再検討会議が最終文書で核兵器禁止条約の「交渉検討」に言及したことを評価した一方、「核兵器廃絶の具体的な行程、期限が設定されなかった」と指摘。20年までの核兵器廃絶の実現を掲げ、平和市長会議を軸に積極的に行動すると宣言した。

 松井市長に続き、長崎市の田上富久市長やジュネーブ軍縮会議日本政府代表部の天野万利大使、非政府組織(NGO)代表が演説し、核兵器廃絶に向けた連携を確認した。

 松井市長は4日、準備委のピーター・ウールコット議長に核兵器禁止条約の交渉開始を求める署名を提出。ウィーンには6日まで滞在する。

(2012年5月5日朝刊掲載)

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