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　広島市中区の平和記念公園では、スマートフォンを手にゲームを楽しむ若者が目立った。広島大付属高２年武安正太郎さん（１７）＝南区＝は「公園周辺は特にアイテムを入手できる場がたくさん設定してある」。ポケモンを探して公園を３時間近く歩いた高校生は「多くの人が公園を訪れ、広島の歴史を知るきっかけになるのでは」とみる。

　原爆資料館周辺は、ゲーム上でキャラクターを戦わせる「ジムバトル」の場になっている。「ゲームだとしても許せない」と憤るのは安佐南区の被爆者岡本剛毅（つよし）さん（８０）。同公園を案内するピースボランティア西村宏子さん（５８）＝中区＝は「せっかく来るなら、原爆慰霊碑に手を合わせるぐらいはしてほしい」と願った。

　同公園では原爆慰霊碑周辺や芝生広場に加え、世界遺産の原爆ドームが原則立ち入り禁止となっている。２２日午後６時現在、トラブルは確認されていないが、市緑政課は「公園は慰霊と憩いの場。常識的な行動をしてほしい」としている。（永山啓一、和多正憲）

（２０１６年７月２３日朝刊掲載）