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核禁止条約 交渉求め署名提出 NPT準備委に広島市長

 (ウィーン発 田中美千子)2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた第1回準備委員会に合わせて開催地のオーストリア・ウィーンを訪れている広島市の松井一実市長は4日夕(日本時間5日)、会長を務める平和市長会議を代表し、準備委のピーター・ウールコット議長に核兵器禁止条約の交渉開始を求める署名を提出した。

 平和市長会議は準備委会場の国連施設内で原爆ポスター展を開催中。そのポスター展にウールコット議長を招き、10年12月以降に全国各地から寄せられた47万8303人分の署名の一部を手渡した。

 松井市長は「多くの命を奪い、都市を滅ぼす核兵器をこの世からなくすべきだ。条約締結に向けた具体的な一歩を」と訴えた。ウールコット議長は「核兵器のない世界の実現に向けた貴重な取り組み」と感謝した。平和市長会議は残る署名を後日、米ニューヨークの国連本部へ送る。

 松井市長は同日、ノルウェーやスリランカの国連大使、包括的核実験禁止条約(CTBT)機構準備委員会のティボール・トット事務局長とも懇談し、協力を呼び掛けた。

(2012年5月6日朝刊掲載)

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