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2年ぶり日米親善デー 岩国基地 身分証チェック

 岩国市の米海兵隊岩国基地を一般開放する日米親善デーが5日あった。米軍や自衛隊が航空ショーを繰り広げ、過去最多の28万人を超える来場者(基地発表)でにぎわった。

 昨年は東日本大震災の支援活動で中止しており2年ぶりの開催で、2010年5月下旬に1キロ沖合に滑走路を移設してからは初めて。これまで最多だった09年の27万5千人を上回る人出になった。

 米軍のAV8Bハリアー攻撃機やF16戦闘機、航空自衛隊の「ブルーインパルス」などが滑走路を飛び立ち、急上昇や旋回を披露。観客から拍手や歓声が上がった。

 家族4人で訪れた岩国市山手町の会社員遠藤真吾さん(35)は「アクロバット飛行を子どもが喜んでいた。連れてきて良かった」と話していた。

 基地は「来場者や基地住民の安全確保」を理由に、今回から成人全員に身分証明書の提示を求めた。ゲートでの身分証確認はスムーズに進んだが、入場門周辺は押し寄せた観衆と車両で混雑した。

 岩国署と大竹署によると、同日朝、山陽自動車道大竹インターチェンジ付近の国道2号下り線から基地近くの国道188号にかけ最大10キロの渋滞が発生するなどした。(酒井亨、友岡真彦)

反対派市議を米軍入場拒否

 米海兵隊岩国基地で5日あった日米親善デーで、基地監視団体「リムピース」共同代表の田村順玄・岩国市議が米軍から入場を拒否された。田村市議は昨年9月に同基地であった海上自衛隊の基地祭でも、米軍の指示で入場できなかった。

 田村市議は基地正門前で入門を待つ人の列に並び、順番を待った。入場ゲートに近づくため基地の敷地内に入った午前9時半ごろ、米軍の憲兵隊員5人に取り囲まれ、「ここでお引き取りを」と拒まれた。田村市議は「理由を説明できる人を連れてきてほしい」と頼んだが、断られた。

 報道陣の取材に田村市議は「不都合な人間を排除するのが基本姿勢なら、親善などあったものではない」と米軍の対応を批判した。

(2012年5月6日朝刊掲載)

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