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平和公園の除外要請 ポケモンGO 広島市 ドーム近くに対戦場

 広島市は26日、平和記念公園(中区)内の施設をスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」の対戦場所などから削除するよう、開発を主導した米ナイアンティックに要請した。「大勢がたむろするようになり、慰霊の場にふさわしくない」と判断した。長崎市も同日、平和祈念像が立つ市内の平和公園に関して削除を要請したと明らかにした。

 広島市企画調整部によると、公園内では世界遺産・原爆ドームや原爆の子の像が「ジム」と呼ばれるポケモン同士の対戦場所に、元安橋西側などがゲームアイテムを入手できる「ポケストップ」と呼ばれる地点に設定されているという。市は同社に対し、公園内の施設をそうした設定から除外するよう電子メールを送った。

 市は「平和記念公園は憩いの場であると同時に原爆犠牲者の慰霊の場。立ち入り禁止の場所もある」として、張り紙をして市民や観光客に注意を促すことも検討している。

 仕事帰りにドームそばでポケモンを探していた西区の会社員住村啓喜さん(31)は「ゲーム自体は悪いと思わないが、迷惑になるなら利用者は自粛した方がいい」と話していた。

 一方、長崎市は、アイテムの入手場所に、平和祈念像が立つ平和公園が設定されているのは不適切とし25日に削除を要請。ナイアンティックは取材に「不適切と判断すれば削除するが、個別の案件は答えられない」としている。(和多正憲、森戸新士)

(2016年7月27日朝刊掲載)

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