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オバマ大統領の足跡 <3> 演説 ヒロシマの重み言及

 「ここでオバマ大統領が演説したのね」「どの辺りに立ったの?」。平和記念公園(広島市中区)を訪れた米国人留学生は屈託ない笑顔を見せた。

 米国人にとって、後ろめたさも付きまとう「ヒロシマ」。大統領訪問は被爆地を身近に感じさせ、平和の誓いをプッシュする原動力になった―。留学生に証言した被爆者の小倉桂子さん(78)=中区=は、米国人の心情に与えた広島訪問の効果を実感する。

 「広島はこの真実を教える。技術の進歩は、人間社会が同様に進歩しなければ、われわれを破滅に追い込む可能性がある」。オバマ氏は演説で、こう続けた。「だからこそ、われわれはこの場所に来た」

 小倉さんもまた、訪れた米国人を励ます。「大統領は自分なりにできることをした。次はあなたが行動する番よ」(写真・河合佑樹、文・馬場洋太)

(2016年7月29日朝刊掲載)

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