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中東非核化へ集中議論 NPT準備委 北朝鮮問題も

 (ウィーン発 田中美千子)2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けてオーストリア・ウィーンで開催中の第1回準備委員会は8日、中東の非核化や北朝鮮の核開発問題について集中的に議論した。

 議論は中東の非核化からスタート。10年にあった前回の再検討会議は、事実上の核保有国イスラエルを念頭に中東非核化地帯構想に関する国際会議をことし開くことなどを盛り込んだ最終文書を採択した。イスラエルとアラブ諸国との対立が続く中、実現への道筋を付けられるかが焦点となっている。

 議論の調整役を務めるフィンランドのヤッコ・ラーヤバ外務次官補は、12月をめどに首都ヘルシンキで開催する意向を表明。交渉状況について「大半は出席予定だが、未定の国もある」と述べ、中東の全ての国の参加に向けて関係国とのさらなる話し合いが必要とした。

 各国の政府代表は開催を支持。ジュネーブ軍縮会議日本政府代表部の天野万利大使が「非核化は長く、大変な道のりだろうが、国際会議は地域の信頼構築に向けた実質的な一歩。協力は惜しまない」と述べた。

 続いて、北朝鮮の核開発問題について議論。各国は、3度目の核実験に向けた動きが指摘される北朝鮮に自制を求めた。

(2012年5月9日朝刊掲載)

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