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平和アパート 一部保存要望 広島県文化団体連絡会議

 広島県文化団体連絡会議(丸屋博代表委員、14団体)は8日、原爆詩人の峠三吉が住んだことで知られる広島市中区昭和町の市営平和アパートの一部を残すことなどを求める要望書を松井一実市長に郵送した。市は取り壊す方針で、本年度に民間業者を活用した建て替えの検討に入る。

 要望書は、平和アパートを「峠三吉が詩作を行い、被爆者として闘い、生活した建物」と強調。峠の部屋か部屋の一角を残すべきだと訴える。敷地内にある詩碑を市民が自由に見ることができるよう、東側を流れる京橋川の川土手に移すことも求めている。

 平和アパートは終戦間もない1948年に完成。戦後初の鉄筋構造の市営住宅で、4階建ての3棟に計72戸ある。峠は50年から53年に死去するまで3号棟4階の一室で暮らした。

(2012年5月9日朝刊掲載)

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