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原民喜の直筆原稿 寄託 遺族、広島市に4編

 小説「夏の花」で知られる被爆作家の原民喜(1905~51年)が、晩年に文芸誌で発表した「鎮魂歌」など4編の直筆原稿が29日、遺族から広島市に寄託された。市は原爆資料館(中区)で保管し、今後、公開を検討する。

 寄託されたのは「魔のひととき」(群像49年1月号)「鎮魂歌」(同8月号)「美しき死の岸に」(50年4月号)「火の子供」(同11月号)で、400字詰め原稿用紙計165枚。いずれも小説で被爆体験に基づく記述も多い。原稿を保管していた講談社が4月、民喜のおいで著作権を継承した原時彦さん(81)=西区=に返却していた。

 原爆資料館を訪れ、市平和推進課の末定勝実・被爆体験継承担当課長に手渡した原さんは「直筆原稿の持つ訴える力を、多くの人に向けて活用してほしい」と話していた。(石井雄一)

(2016年7月30日朝刊掲載)

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