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オバマ氏に届けた祈り ヒロシマ・アピールズ ポスター発表

 日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)広島地区と広島国際文化財団、ヒロシマ平和創造基金は29日、被爆71年版の「ヒロシマ・アピールズ」ポスターを発表した。グラフィックデザイナーの上條喬久さん(76)=東京都港区=が制作し、タイトルは「祈りの風景」。5月のオバマ米大統領の広島訪問が創作に影響を与えたという。

 中央に平和や核兵器廃絶を祈って鎮座する人の姿を表現した。オバマ氏の訪問後、それまで制作を進めていた原爆の悲惨さを伝えるデザインを転換。「訪問が実現した背景にある、広島の人々の努力と平和への願いを知った。告発や謝罪を喚起する対立軸を描くのではなく、個人個人が平和を祈ることが世界平和につながる一番大切なことだ、と考えた」と説明した。

 上條さんはこの日、広島市役所を訪れ、松井一実市長にポスターを手渡した。松井市長は「ヒロシマの心をどう発信していくかは市にとって永遠のテーマ。アピールするポスターを作っていただき、ありがたい」と感謝した。

 ポスターはB1判。2千部を刷り、1枚1080円で原爆資料館(中区)やJAGDAのホームページなどで販売している。市内の小中学校などにも配る。過去の18作品とともに、8月9~13日に中区袋町の合人社ウェンディひと・まちプラザのギャラリーで展示する。(渡辺裕明)

(2016年7月30日朝刊掲載)

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