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左手で奏でる平和の旋律 ピアニスト瀬川さん 広島市南区で8・6公演

「つながりの大切さ表現」

 左手だけで演奏する広島市中区出身のピアニスト瀬川泰代さん(28)を招いた平和コンサートが8月6日、南区の区民文化センターである。市民団体が初めて開き、病気で右手の自由を失いながら奮起する姿に平和を実現する決意を重ねる。(奥田美奈子)

 瀬川さんはエリザベト音楽大在学中の2006年、難病のジストニアと診断された。プロ奏者になる夢を諦めず、留学先のオーストリアを拠点に演奏活動を続ける。被爆3世で、毎年8月6日に帰省している。瀬川さんは「演奏を続けられるのは家族や友人の支えがあってこそ。人とのつながりの大切さを音楽で表現し、平和を祈りたい」と意気込む。

 瀬川さんの学生時代を知る「広島と福島を結ぶ会」代表の加藤りつこさん(68)=安佐北区=が企画した。東広島市の詩人井野口慧子さんを迎え、大道あやさん作の絵本「ヒロシマに原爆がおとされたとき」の朗読もある。

 午後1時開演。一般2千円、学生千円、小学生以下無料。収益金は東日本大震災と熊本地震の被災地へ送る。加藤さんTel090(6840)7943

(2016年7月30日朝刊掲載)

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