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原水禁世界大会が開幕 福島 原発と核兵器 ゼロ訴え

 原水禁国民会議などの原水爆禁止世界大会が30日、福島市の福島大会で開幕した。福島第1原発事故の被災者が今なお苦境にある現状を踏まえ、原発も核兵器もない社会の実現を訴えるアピール文を採択した。大会は会場を広島、長崎市に順次移して8月9日まで続く。

 会場の福島県教育会館には750人(主催者発表)が集まった。大会実行委員長の川野浩一原水禁議長はあいさつで「原発事故の被災者は古里に帰れず、原爆被爆者の傷も癒えていない。全ての核を否定し、平和を守り抜こう」と呼び掛けた。

 海外ゲストとして、ドイツ連邦議会(下院)のクラウディア・ロート副議長がスピーチし「日本には再生可能エネルギーに利用できる豊かな自然がある。安全な電力提供へ、先頭に立つべきだ」と指摘した。被災地の医師や高校生たちも登壇し「国は原発を再稼働しようとしているが、核のごみに行き場はない」「事故を二度と起こさせないため現状を伝えないといけない」などと訴えた。

 参加者は福島市中心部の約2キロを行進し「核兵器廃絶」「原発なくせ」と声を上げた。広島大会は4~6日、長崎大会は7~9日にある。

 日本原水協などの世界大会は2日、広島市での国際会議で開幕する。(田中美千子)

(2016年7月31日朝刊掲載)

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