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[オバマ米大統領を迎えた夏] 「被爆者の思い伝える」 盈進高の作原さん 核廃絶署名に力

 オバマ米大統領の5月の訪問行事に参加した盈進高2年の作原愛理さん(17)=府中市=が、核兵器廃絶に向けた署名活動に力を入れている。オバマ氏と握手や言葉を交わした被爆者たちの姿が励みになったという。30日、行事があった広島市中区の平和記念公園に立ち、市民や旅行者たちに後押しを求めた。

 「被爆者の苦しみは核廃絶への原点。オバマさんも被爆者と会って受け止めてくれたと思う」。盈進中・高の生徒20人とともに署名を集め、協力してくれた人に熱心に語り掛けた。

 ヒューマンライツ部に中学時代から所属。広島県被団協の坪井直理事長(91)たち10人以上から体験を聞いた。「被爆者の気持ちが分かるとは簡単に言えない。でも手を握れば71年生き抜いてきた苦労を感じるし、目を見て話せば、あの日の惨状が伝わってくる」

 そんな思いから広島訪問の9日前、「高齢で時間がない被爆者の話を聞いてほしい」とつづったオバマ氏宛ての手紙を東京の在日米大使館へ送った。

 昨春、米国であった核拡散防止条約(NPT)再検討会議へ平和首長会議(会長・松井一実広島市長)から派遣されたのが縁で訪問行事に招かれた。当日、オバマ氏が被爆証言を聞く機会はなかったが、坪井理事長と手を握り、言葉を交わす様子を間近で見た。被爆者の苦労が少し報われたように感じた。「あの日、見たり感じたりしたことを伝え、被爆者の平和への思いを広めたい」と言う。

 署名活動は盈進高、広島女学院高(中区)、沖縄尚学高(那覇市)を中心に展開。同会議を通じて国連本部へ届ける。(有岡英俊)

(2016年7月31日朝刊掲載)

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