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被爆体験 医師が証言 広島 高校生と座談会も

 医師が自らの被爆体験を次世代へ語り継ぐ講演会が31日、広島市西区の広島医師会館であった。整形外科医の原田雅弘さん(88)=安佐南区=と元広島大学長の原田康夫さん(85)=中区=の2人が証言。高校生と対話し「若い力で核兵器のない世界を目指してほしい」と訴えた。

 原田雅弘さんは、被爆者医療に尽力した原田東岷氏(1912~99年)のおい。旧制広島高(現広島大)1年生の時、疎開先に向かう途中に横川駅(現西区)で被爆した体験を語り、「動物実験のように原爆は投下された。人道的に許されない」と強調した。

 広島県立広島第一中学校(現国泰寺高)2年生の時、入市被爆した原田康夫さんは「戦後の闇市で手に入れた顕微鏡が研究の原点。原爆で人生観が変わり、人の役に立ちたいと医師を志した」と振り返った。

 市医師会が企画し、約250人が参加。2人と高校生9人との座談会もあり、「当時の医師は放射線の影響を知っていたのか」などと質問が相次いだ。広島大付属高3年谷口信乃さん(17)=西区=は「壮絶な体験に衝撃を受けた」と話していた。(和多正憲)

(2016年8月1日朝刊掲載)

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