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オバマ氏演説引用 「核兵器のない世界を追求する勇気を」 8・6平和宣言 広島市が骨子

 広島市の松井一実市長は1日の記者会見で、被爆71年の原爆の日に平和記念式典で読み上げる平和宣言の骨子を発表した。5月に広島を訪れたオバマ米大統領が原爆慰霊碑の前でした演説の一節を引用。「情熱」と「連帯」をキーワードに、核兵器廃絶へ行動するよう世界へ訴える。

 演説からは「私自身の国と同様、核を保有する国々は、恐怖の論理から逃れ、核兵器のない世界を追求する勇気を持たなければならない」(在日米大使館訳)との訴えを引用する。被爆者の思いを受け止め、廃絶に立ち向かう「情熱」を世界へ示している、とアピールする狙いだ。

 その上で、情熱を持って連帯し、行動するよう呼び掛ける。4月に市であった外相会合の広島宣言を、核兵器保有国、非保有国の立場を超えて世界の為政者に被爆地訪問を要請した「連帯」の一歩と強調。廃絶の具体策として核兵器を禁止する法的枠組みが「不可欠」と指摘する。

 さらに、被爆当時17歳の男性と18歳の女性の計2人の体験談を引いて、「あの日」の惨状と未来へのメッセージを発信する。松井市長は「オバマ大統領の考え方はヒロシマの心に通じる。未来志向で、あるべき姿を追求しようという発言の重みをしっかり受け止めたい」と述べた。

 式典は6日午前8時から、平和記念公園(中区)で営まれる。(渡辺裕明)

(2016年8月2日朝刊掲載)

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