×

ニュース

演劇で原爆伝える ひろしま総文3日目 三次では弁論始まる

 広島県内で開かれている第40回全国高校総合文化祭(2016ひろしま総文)は3日目の1日、演劇、弁論、器楽・管弦楽の各部門が始まるなど、15部門の大会があった。

 広島市中区のJMSアステールプラザであった演劇部門には全国の12校が出場。この日は原爆をテーマにした地元の沼田高、舟入高を含む5校が上演し、約2千人が来場した。

 沼田高の「そらふね」は被爆10年後の広島を生きる姉妹が主人公。「うちはみんなを踏みにじって生きてきたんよ」などの台詞に生き残った人の苦悩を込めた。舟入高の「八月の青い蝶(ちょう)」は、年老いた男性が回想する少年期の恋を通じ、多くの人が原爆による喪失を抱えて戦後を生きたことを描いた。

 観劇した三重県東員町の整体師新美恵子さん(56)は「広島にとって8月6日は今も特別なのだと感じられた」と話していた。

 弁論部門も1日、2日間の日程で三次市民ホールきりりで始まった。初日は全国の予選を勝ち抜いた49人が出場。庄原実業高3年重田瑞希さん(17)=三次市=は、水田のカブトエビを増やして雑草が生えにくくする農法を紹介した。除草剤の散布作業が減るため「『しわい(つらい)』が口癖の農家の祖父母を楽にできる」と力を込めた。

 ひろしま総文は3日まで。2日は吹奏楽、小倉百人一首かるたなど17部門の大会がある。(明知隼二、八百村耕平)

(2016年8月2日朝刊掲載)

年別アーカイブ