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原水協世界大会が開幕 広島 核兵器禁止条約 交渉訴え

 日本原水協などの原水爆禁止世界大会の開幕となる国際会議が2日、広島市南区のホテルで始まった。28カ国・地域の政府や平和団体の代表たち92人が4日までの3日間、核兵器の非人道性や禁止条約の早期交渉開始などを議論し、宣言をまとめる。

 開会総会では、世界大会実行委員会運営委員会の野口邦和代表が「核抑止論を打破し、核兵器の全面禁止と廃絶へ具体的な方針を打ち出す場となることを期待する」とあいさつした。

 続いて元国連軍縮担当上級代表のセルジオ・ドゥアルテ氏がスピーチ。国連の核軍縮に関する作業部会に核兵器保有五大国が参加せず、被爆国の日本などが禁止条約の早期実現に消極的である現状を危惧した。「世界は岐路に立っている。安全保障を核兵器に頼る主張に立ち向かおう」と呼び掛けた。

 総会後のセッションでは、世界の核被害者や支援者たち7人が発言した。韓国原爆被害者協会の具柾成(ク・ジョンソン)副会長は、戦後に朝鮮半島に戻った被爆者は「公式な調査がないまま生活苦と後障害に耐えている」と訴えた。チェルノブイリ原発の事故収束などに当たった作業員の報告もあった。

 原水禁国民会議なども4~6日、中区などで世界大会広島大会を開く。(明知隼二)

(2016年8月3日朝刊掲載)

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