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NPT再検討会議 広島誘致「難しい印象」

 2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた第1回準備委員会が開かれたオーストリア・ウィーン訪問を終えた広島市の松井一実市長は11日の記者会見で、現地で訴えた再検討会議の広島誘致を「気持ちは伝わったと思うが、物理的に難しいと感じた」と述べた。国際会議の開催実績を積み重ねて将来の誘致につなげる意向も示した。

 松井市長は15年の再検討会議誘致への協力を求めてノルウェーやスリランカの国連大使たちと面会。「(大使から)気持ちは分かると言われ、逆に難しいのかなと感じた」と振り返った。

 約190カ国の代表団が1カ月にわたり滞在する会議の規模の大きさも課題、との認識を示した。これまで米ニューヨークとスイス・ジュネーブ以外で開催されたことはない。

 ただ、今回実現しなかった場合でも「為政者が集まる象徴的な会議であり、広島で開いてほしいと言い続ける」と明言。14年春の広島開催が決まった「軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)」の外相会合などの国際会議を成功させることが「(実現に向けた)遠いようで堅実な方法だ」と述べた。(藤村潤平)

(2012年5月12日朝刊掲載)

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