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ポーランド・韓国参加へ 広島国際ユースサッカーでの平和教育

 広島の高校生と海外の18歳以下代表による、サッカーの平和祈念広島国際ユース2016(中国新聞社など主催)が8日から4日間、広島市安佐南区の広島広域公園第一球技場である。競技力向上だけでなく被爆地ヒロシマでの平和教育もテーマとしている大会。11回目のことしはポーランド、韓国から選手、スタッフ約50人が参加し、平和への理解を深め合う。

 大会では当初から原爆資料館の見学や原爆慰霊碑への献花などを行っていた。「サッカーの強い欧州でなく、日本に来るのは競技以外の部分が大きい。昨年も参加したポーランドは平和学習メインで来日を決めたと聞いた」と鯉迫勝也運営委員長(広島・安西高教)。代表チームが初めて参加した前回から、被爆体験の事前送付を始めた。

 ことしは7月上旬、大会役員が語り部から被爆体験を聞き取り、文にして両国に郵送した。ポーランドでは、前回通訳を務めた同国在住の飯田洋一さん(41)が、現地の日本語学校の生徒と翻訳。韓国も現地で訳し、事前に選手へ配る。

 9日は試合を行わず、原爆資料館の見学や原爆慰霊碑への献花などを行い、語り部の被爆体験を直接聞く。広島県サッカー協会の宗政潤一郎事務局長は「高校生年代の世界大会を、平和都市広島でやる意味を伝えたい。復興の歴史や平和について考えるきっかけにしてほしい」と願う。(矢野匡洋)

(2016年8月3日朝刊掲載)

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