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「新藤作品 反戦に共感」 米俳優デル・トロさん

 米アカデミー賞俳優ベニチオ・デル・トロさん(45)が11日、広島市などで開催中の映画イベント「新藤兼人 百年の軌跡」のゲストとして同市を訪れた。原爆資料館(中区)を見学後、「新藤監督の反戦作品に大変共感する」と思いを語った。

 平和記念公園近くのホテルから歩いて原爆ドームや原爆の子の像のそばを通り、原爆慰霊碑に到着。デル・トロさんは、今回の広島訪問を仲立ちした、監督の次男で近代映画協会の新藤次郎社長(63)や、米ニューヨーク在住のアーティスト平川典俊さん(51)と花束を手向けた。

 資料館で遺品や写真を見たデル・トロさんは「ご飯が真っ黒になった弁当箱の話はとても悲しい」と苦しそうな表情だった。「忘れない限り、人類は生き延びる」と記帳した。

 同日夜、広島市中区での「百年の軌跡」プレミアム上映会のトークショーに参加した。

 デル・トロさんは平川さんの紹介で「裸の島」のDVDを見て以来、新藤監督を敬愛。新藤作品の上映を米国やフランス、プエルトリコでも行っている。 「人間の真実を探そうとする新藤監督の作品から多くのインスピレーションを感じる。原爆は知識として知っていたが、今回の訪問でより深まった。俳優や監督として必ず良い影響が表れるだろう」(串信考)

(2012年5月12日朝刊掲載)

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