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被爆「伝承者」 15日から公募 広島市 証言者も

 広島市は11日、被爆体験を語り継ぐ「伝承者」の公募を15日から始めると発表した。高齢化する被爆者の体験や平和への思いを受け継ぎ、伝える役割を担う。3年間の研修を受けた後、被爆70年の2015年度から原爆資料館(中区)などで修学旅行生や海外からの訪問者に体験を話す。

 年齢や居住地に制限はないが、市内で実施する3年間の養成プログラムを受けることが条件。

 プログラムは本年度、原爆被害の概要を学ぶ講義など計13回の研修や被爆者との交流会を予定する。来年度は原爆資料館で活動する約30人の被爆体験の証言者からマンツーマンで指導を受け、最終年度は実習が中心となる。

 また、市は自らの被爆体験を語る証言者も初めて公募する。伝承者と同様に研修があり、2年後の14年度から本格的に活動する。

 松井一実市長は11日の記者会見で「被爆者の高齢化が進む中、体験を直接語り継ぐ重要性を広島全体で受け止めたい。ぜひ多くの人に参加してほしい」と呼び掛けた。

 応募用紙は区役所や市のホームページから入手でき、郵送や電子メールで申し込む。6月29日必着。市平和推進課Tel082(242)7831。(藤村潤平)

(2012年5月12日朝刊掲載)

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