×

ニュース

「国際社会で汗かく」 留任の岸田外相抱負 第3次安倍再改造内閣

 3日発足の再改造内閣で、安倍政権の外交戦略を担ってきた岸田文雄外相(広島1区)が留任した。昨年10月の改造に続く留任で、在任期間は1300日を超えて歴代4位。中国地方では、加藤勝信1億総活躍担当相(岡山5区)も新設の働き方改革担当相などを兼ねる形で引き続き務める。

 岸田氏は、政権の掲げる「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」を進め、訪れたのは延べ75カ国・地域に上る。この日、官邸入りした後、「あらためて身が引き締まる思いだ」と述べた。

 従軍慰安婦問題に関する韓国との合意取り付けや、オバマ米大統領の広島訪問実現に尽力した実績が評価された。今後はロシアとの領土交渉をはじめ、ミサイル発射や核実験を続ける北朝鮮への対応など課題が山積する。会見した岸田氏は、被爆地選出の外相として「核兵器のない世界をつくるため国際社会で汗をかく」と力を込めた。

 今回、将来の首相候補として周囲からは自民党三役入りが期待されたが、実現しなかった。中国地方では同じく「ポスト安倍」と目される石破茂氏(鳥取1区)が入閣を固辞。政治家としての将来をにらんだ対応は、分かれた形となった。

 安倍政権が打ち出す「1億総活躍社会」の実現の先頭に立ってきた加藤氏は、働き方改革担当相を兼ねる。官邸で報道陣に「長時間労働の是正や、非正規で働く方々の処遇を改善する『同一労働同一賃金』、高齢者の就労促進などを進めたい」と意欲を示した。(野崎建一郎、田中美千子、山本和明)

(2016年8月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ