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海抜50メートルに免震重要棟 島根原発

 中国電力は15日、福島第1原発事故を受け、事故発生時の対策拠点として島根原子力発電所(松江市鹿島町)内に建設する免震重要棟について、海抜約50メートルの地点に総工費約75億円で建設することを明らかにした。5月中にも土地の造成を始め、2014年度の利用開始を目指す。

 福島の事故で15メートル級の津波が敷地内に到達したとされるため、高さに余裕のある地点を選んだという。現在の対応拠点である管理事務所2階の緊急対策所は海抜約20メートルで、約30メートル高くなる。

 重要棟は3階建て延べ5千平方メートルで、震度7クラスの地震にも耐えられるという。13年度の着工に向けて今後、敷地内の山肌を切り崩して森林を伐採。立地地点の区画を整える。スペースも緊急対策所(240平方メートル)から大幅に広げ、最大300人体制で事故対策にあたる。

 政府が原発再稼働の条件として示した30項目の安全対策でも、地震・津波に耐えられる事故時の指揮所を整備するよう電力各社に求めている。整備の完了時期は定めていない。

 建設に伴う森林開発について中電は4月、県に許可を申請。この日、溝口善兵衛知事の諮問を受けた審議会が松江市であり、県が建設計画を説明した。(樋口浩二)

(2012年5月16日朝刊掲載)

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