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政権の安定運営 期待/改憲・安保政策を警戒 第3次安倍再改造内閣 中国5県与野党 反応割れる

 第3次安倍再改造内閣と自民党の新役員体制が発足した3日、中国地方の与党の県組織の幹部は、安倍晋三首相(自民党総裁、山口4区)が意欲を示す憲法改正やアベノミクスの実効性が今後の課題となる中、安定した政権運営を期待した。自民党総裁の任期延長論には賛否が分かれた。野党側は改憲論議の行方や安全保障政策を巡り警戒感をあらわにした。

 ポスト安倍として自民党の幹事長候補にも挙がった岸田文雄外相(広島1区)は留任。広島県連の林正夫幹事長は「外交課題は山積し、実績と安定した手腕に首相が期待を寄せたのでは。今は党務よりいい」と冷静に受け止めた。

 島根県連の森山健一幹事長は、党の総務会長に細田博之氏(島根1区)、国対委員長に竹下亘氏(同2区)が就いたことを踏まえ「2人とも党の中枢で頑張ってほしい」と述べた。

 連立を組む公明党。広島県本部の田川寿一代表代行は「来るべき衆院選に向け、着実に成果を出したいとの意気込みを感じる」。山口県本部の先城憲尚幹事長は「アベノミクスは道半ばで、重要閣僚の経験に期待したい」とした。

 自民党総裁任期の延長論には各県連で意見が異なった。首相のお膝元、山口県連の守田宗治幹事長は「国民から延長論が自然に出ることを期待している。2020年の東京五輪も安倍首相の手で」と支持。一方、閣外に出た石破茂氏(鳥取1区)の地元、鳥取県連の山口享会長代行は「実績を残した上でなされるべき議論。時期尚早だ」とくぎを刺した。

 野党は対立姿勢を鮮明にした。民進党の広島県連の福知基弘幹事長は「当面の対立軸は経済政策。アベノミクスの失敗は明らかだ」。岡山県連の津村啓介幹事長(比例中国)は「提案型の政党として、政権の先を行く建設的な議論をリードしたい」とする。

 社民党島根県連合の細田実幹事長は、稲田朋美防衛相について「首相に近いタカ派。アジア外交に影響を与える」と懸念した。憲法改正の議論は秋から衆参両院の憲法審査会で始まる見通し。共産党の山口県委員会の佐藤文明委員長は「改憲を進めていく内閣だ」と警戒。広島県委員会の村上昭二委員長は「野党共闘を続け安倍政権下での改憲を許さない」と力を込めた。

(2016年8月4日朝刊掲載)

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