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キプロスで被爆証言へ 「教師の会」松島会長

 ひろしまを語り継ぐ教師の会会長で被爆者の松島圭次郎さん(83)=広島市佐伯区=が、19日から8日間の日程で地中海のキプロス共和国を訪れ、被爆体験を証言する。

 同国の国会が外務省を通じて招待した。松島さんは滞在中、平和をテーマにした国会主催のシンポジウムに参加。16歳の時、爆心地から約2キロの広島工業専門学校(現広島大)で被爆した体験を語る。元英語教師の経験を生かし、英語教育を受ける現地の学校で子どもたちに核兵器の恐ろしさを訴える。

 地中海東部に浮かぶキプロス島は、ギリシャ系が多数の欧州連合(EU)加盟国キプロス共和国と、トルコ系が多数でトルコだけが国と承認する北キプロス・トルコ共和国とに分断されている。

 松島さんは「複雑な政治情勢の地だけに平和を願う思いは強いはず。核兵器の実態を伝え、廃絶を願う輪に加わってほしい」と話している。(田中美千子)

(2012年5月16日朝刊掲載)

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