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オバマ氏広島訪問9割評価 平和式典の37都道府県遺族代表

 中国新聞は、6日の広島市の平和記念式典に参列を予定する37都道府県の被爆者遺族の代表に、5月のオバマ米大統領の広島訪問についての受け止めを聞いた。約9割に当たる33人が「意味があった」と評価した一方、演説で核兵器廃絶への具体策に触れなかった点を残念がる声もあった。

 「とても意味があった」が22人、「まあまあ意味があった」が11人で89・2%が前向きに捉えた。福島県の大内秀一さん(67)は「原爆投下を正当化する考えが米国内で根強い中、勇気ある行動」と支持。石川県の池田治夫さん(61)も「現職大統領が来た意味は重い。核兵器のない世を願う世論が日本国内でも高まった」と受け止めた。

 ただ「意味があった」とした人の中に、オバマ氏の演説に物足りなさを指摘する意見も。東京都の藤沢汎(ひろ)子さん(73)は「被爆者が生きている間に核兵器をなくすとの強いメッセージが欲しかった」と話した。

 一方、「どちらとも言えない」は4人(10・8%)。沖縄県の中原冨美子さん(70)は「ノーベル平和賞受賞後、これといったことをしてこなかったオバマ氏のパフォーマンスにも感じた」と指摘した。(有岡英俊)

(2016年8月5日朝刊掲載)

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